陰獣:外来種「外鬼」

郷者が「外鬼(そとおに・げきなど)」と呼ぶ外来種。
見掛けは人となんら変わりないが、不死に近い肉体と高い戦闘能力を有し、その血は人をけもの(同族)に変え、他の陰獣には致死の毒として作用する。

郷者は「遠方からの災厄」という意味を込め、彼らの種族を「外鬼」と呼ぶようになった。
征服欲の強さ、闘争本能の強さから他種族との諍いが絶えず、渡来してきた当初は郷者と激しい敵対関係にあった。
様々な経緯を経て、現在両者はかろうじて共存への道を歩み出しているが、決して良好な関係とは言えない。

外鬼は、彼ら種族が「組織」として成立しはじめた時期(中世頃と言われるが定かではない)の価値観・世界観を基準としており、身分制度を現在も踏襲している。
こうした価値観からなる様々な制度・様式は、彼ら自身の闘争本能の強さを制御し、統制をとる事にも役立っている。

爵位を持つ特権階級はそのまま血統、血の濃さなどを表す。人間社会での社会的地位も同一の場合が多いが、これらの地位を彼らがどのように得たのかは不明である。

外見的特徴として、金髪・長身痩躯・青い瞳などが挙げられる。
種族・血統が「正しく」、血が濃いほどにその性質は強く表れる。美男美女も多いが、「原種」に近いものはその限りではない。
また、外鬼の能力により「外鬼」に変化させられた者の外見も元のままで、ごく一部を除けば特に変化することはない。

彼らの中には自らの種族を、ルーマニア語で「Nosferatu」と呼称する者もいる。
実際にNosferatu(吸血鬼)とされるものかは不明。多くの伝承、また映画や小説などに描かれる吸血鬼とは異なるが、共通項も多い。彼らはこの表現を気に入ってるらしく、しばしば使用している。