数字(番号)について

 郷者のしのびは、「数字持ち」と「弾き」の二つに分類される。
 一から九九まででいずれかの数字を与えられたしのび=「数字持ち」と、それ以外のしのび=「弾き」である。
 もともと「数字持ち」は幹部候補生や管理者になる可能性のある者、また特に能力の秀でた者に与えられていた。特に実働隊である伍・捌・玖の部隊のしのびに与えられる事が多いのはこうした背景がある。
 もっとも、現在においてはそこまでの能力格差で数字を与えられる事はなくなっている。寧ろ、しのびとして「魔物中心の忍務を行っている」場合に数字を与えられ、それ以外の忍務(補佐含む)にあたるものには数字を与えない(=草として一般社会になじむ)、という形になっている。。
 数字の有無は「常にしのびとして生きるもの」とそうでないもの、という区別にはなるかもしれない。

 数字持ちの場合、数字をもとにしたしのびの名前を持つ事になる。
 たとえば、市丸の場合
  10番=一○=いち・まる=市丸
 というように、数字の当て字、連想される風物などを元にしのびとしての名前を決めている。
 個体識別として数字を用いてるが、特定の数字以外、数字自体には特別な意味は特にない(番号が早いから優秀、というわけではない)。
 正式なしのびとして認定された時、当人の特性と希望も含め、数字持ちとなるか弾きとなるか判定され、数字持ちになる場合は九九までの中で空いている数字を与えられる。また、数字を示した「数紋」を持ち、各自使用している。

 身分・役職によって決定される特定の数字は、零〜九(他にも慣例的に身分などで使われている数字もあるが、それらに関しては絶対ではない)。一桁の数字はそれぞれ部署の長が持つものになっている。
 ちなみに、あまり使われてない(好まれない)数字も存在する。「忌み番」と呼ばれる、42(死に番)、49(死苦番)、94(苦死番)…など。しかし、絶対に使ってはいけない数字、というわけではなく、より危険な任務を負う者に、敢えて、逆に縁起を担いで「縁起が悪い」と言われる数字を与える事もあるという。

 以上の様に、数字持ちと弾きによって構成されるのが郷のしのびである。